初期研修後プログラムについて

Ⅰ.2年間の初期研修を終了したら・・・

「研修後プログラム(Post-residency program)」について

初期研修を受ける皆さんは、2年間の初期研修後の進路も考えていますか?診療科も決まっていない今の段階では「考えられない」人もいるでしょう。しかし、これからが本当の医学者の道です。先の目標を持って研修することは、初期研修中も目的意識があるため色々な利点も考えられます。当科では「研修後プログラム(Post-residency program)」として次の4つのコースを用意しています。

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初期研修後のモデルコース

◆1.Chief Resident コース

◆2.大学院コース

◆3.国内・国外への臨床留学コース

◆4.第一線臨床コース

**Post-residency programとは**

Post-residency program とは、2年間の初期研修を終了した医師 ( post-residency doctor ) が更なる研修を積むためのプログラムです。群馬大学を管理型研修施設とした初期研修を終了した医師にとっても、他の研修施設(特に他の都道府県)での初期研修を終了した医師にとっても、自分の将来像に近づく道標としてのプログラムを用意しています。全国に展開中の当科のネットワークを通じて、個々のニーズに見合った研修病院での研修や研究施設でのリサーチを進めます。このプログラム終了後は再び臨床や研究の道に進むよう臨機応変にコースの選択が可能であり、中途での変更も柔軟に対応できます。 別に説明しております当科の「大学院入学前チューター制」を利用している方もしていない方もいつでも気軽にご相談下さい。

◆1.Chief residentコース

米国のresidentコースに相当するもので、junior residentに当る初期研修医の指導を担当しつつ、自身は高度なスキルを磨く研修を積みます。執刀医を多く経験することで外科医としての技量を高めるだけでなく、初期研修医の指導に当ることで自分の知識・技術・経験をさらに確かなものとします。「1~2年間」の間にその他麻酔・ICU・救急などの研修も可能です。

◆2.大学院コース

医学者としての研究の道です。大学院生は一般に学生の身分になりますが、現在では一般病院に勤務しながら勤務時間外で大学院に通う夜間大学院も選択できます。現在32人の大学院生を擁しています。そのうち約3分の1は東大、名古屋大、九大や国立がんセンターなどの最先端の研究施設で学んでいます。4年での卒業が一般的ですが、3年で卒業している院生も増えています。

Q どんな研究をするの? 現在の研究テーマ個別一覧へ

当科は外科ですので、外科臨床に直結したテーマで研究しています。現在、以下のテーマに取り組んでいます。

DNA修復機構の解明 癌転移抑制遺伝子の検索

癌における細胞周期関連因子の発現

腫瘍免疫(遺伝子、ワクチン)

消化管運動 移植免疫

腫瘍血管新生

温熱療法における蛋白発現機構

再生医療(臓器再生、血管再生)

ほか

Q 生活の保障は大丈夫?

週一回程度の外勤と月1~2回の土日の外勤があり、十分生活していけます。基本的に夏休みもとれます。

◆3.国内・国外への臨床留学コース

臨床スペシャリスト養成コースです。肝移植や癌治療など外科の専門分野における国内・国外の最先端の施設に留学し、スキルを身につけます。留学に際しては外科としての知識・技術・経験をある程度身につけておいた方が有利です。

◆4.第一線臨床コース

大学病院と関連病院に派遣勤務する従来からのシステムです。第一線の病院で最も必要とされる一般外科を中心に研修します。 多くは研修病院であり、ここでも初期研修医の指導を行うとともに、自分の知識、技術をして患者さんの責任ある対応など幅広い臨床経験を積むことが出来ます。

Ⅱ.初期研修プログラムにおけるアルバイトの件

研修医の当直は基本的に指導医の補助が必要で、単独での当直は認められない傾向にあります。そのため研修医の当直を受け入れない病院が増えていることも事実です。初期研修プログラムの場合、アルバイトが可能となるか否かは現時点では未定のところではありますが、「もし制度的に可能になった場合」には、私共では病院との相談の上、研修医でも対応可能なシステムを準備しております。 現在、4つの病院で対応可能です。経済的にも安心して研修が受けられるよう配慮します。

Ⅲ. 外科専門医について

外科を志す医師にとって最初に取得する専門医です。 最短で5年かかります。この後に消化器外科・呼吸器外科・心臓血管外科・小児外科の各専門医制度があります。さらにその後それぞれに指導医の制度があります。

 どうすれば取れるの?

外科学会に入会(年会費1万円)して外科研修開始の手続きをします。4年で筆記試験。5年で所定の手術経験数をクリアすれば口答試問を受け、合格すれば晴れて外科専門医に認定されます。

Q 所定の手術経験とは?

最低限:消化器一般外科50例、呼吸器外科10例、心臓大血管10例、末梢血管10例、小児外科10例、乳腺甲状腺10例の術者または助手の経験。 全体で350例以上、術者として120例以上が必要となります。もちろん当科ではすぐにクリアできるよう、手術に積極的に参加してもらっています。

Q 初期研修の2年間はどう扱われるの?

平成16年度から初期研修がはじまるため、最初から外科学会に入会しない人が多いと思います。しかし、外科学会に入り研修申し込みをしてから専門医の経験とみなされます。すなわち、初期研修の2年間はカウントされません。初期研修終了後に始めた場合、卒業後外科専門医になるまで最短でも7年かかることになります。ただし、はじめに入会して外科研修の登録をしておけばカウントされるわけです。また、遡り認定という制度があり、初期研修終了6ヶ月以内であれば6万円払えば初期研修の2年も研修期間として認められるという裏技も用意されています。

Q 心臓の手術経験も必要だけど大丈夫?

当科には心臓を扱っている関連病院がいくつかあります。 また、群馬大学附属病院の初期研修医で選択科目(6ヶ月)を当科にしていただけた場合、選択科目の期間内に心臓大血管を研修できるように配慮しています。

どれを選んでもよいと思いますが、初期研修の2年間を有効に使うことがポイントです。2年間学生生活が長くなったという人がいますが、それは違います。2年間見学だけをしてきた研修医と実地訓練を積み重ねてきた研修医とでは2年後の同じ入局時に2年間の差がついていることになります。外科を目指す方は、早く専門医が取れるように目的意識を持ちましょう。ぜひ「選択科目」に当科を選んでください。6ヶ月で専門医制度の多くがクリアできるよう設定します。また選択科目で当科を選択された方には、幅広く国内の様々な臨床の場での研修についても積極的に相談を受け、出来るだけ希望に沿うように致したいと考えています。研究生活に入る場合でも、この6ヶ月を経験した後なら安心して研究に打ち込めることと思います。