「AASLD The Liver Meeting 2019」参加報告

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帰朝報告(石井 範洋 助教)

「AASLD The Liver Meeting 2019」参加報告

2019年11月8日~12日にアメリカ合衆国のボストンで開催されたAASLD The Liver Meeting 2019に参加させていただきました。AASLD(American Association for the Study of Liver Diseases)はアメリカの肝臓学会で、Impact factorも高い「Hepatology」を発刊している学会になります。その総会であるThe Liver Meetingには世界中から多くの肝臓専門医が集まり、群馬大学肝胆膵外科から石井範洋が参加させていただきました。また群馬大学からは肝臓内科の柿崎暁先生も参加されておりました。

会場はボストン市内のHynes convention centerという国際会議場で、複合商業施設であるCopley placeやPrudential Towerと隣接しております。学会内は大変にぎわっており、各会場で積極的なDiscussionが行われておりました。全体的には肝癌はもちろんですが、それに加えNASH/NAFLDに関する演題が多く見受けられ、肝臓病のTopicがウイルス性肝炎からNASHへ移行してきているような印象を受けました。私自身はPoster発表で、大学院生時代からモンゴル人留学生Dolgormaaさんと一緒に行った肝線維化マーカーM2BPGiの肝癌促進作用に関する研究成果を「WFA+ Mac-2 Binding Protein (M2BPGi) enhance aggressiveness of hepatocellular carcinoma via activation of mTOR signaling」として発表させていただきました。台湾やイタリアの方々から質問をいただき、今後の研究に活かしていきたいと思います。また、ちょうど隣のPosterで川崎医科大学肝胆膵内科の日野啓輔教授の研究グループが発表されており、日野先生は当科の発表にも興味を持っていただき交流させていただきました。

空いた時間を利用してMassachusetts General Hospital(MGH)内にあるEther domeを見学してきました。ここは1846年、世界で初めてエーテルを用いた全身麻酔が行われた場所となっております。華岡青洲による我が国における全身麻酔手術は1804年で、エーテル麻酔より先に行われているということを前教授の桑野博行先生(群馬大学名誉教授)から教えて頂いておりましたが、近代外科学の始まりとされる神聖な場所に立つことができ、外科医として感慨深いものがありました。また、ボストンは東海岸に位置する港町でシーフードが有名ということで、ロブスターや生ガキ、クラムチャウダーを堪能させていただきました。

最後になりますがこの度はこのような貴重な機会を与えて頂いた調 教授に深く御礼申し上げます。また、不在の間ご迷惑をおかけした当科肝胆膵外科のスタッフの皆様にも感謝申し上げます。

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