「第2回 ESMO/JSCO フェローシッププログラム」参加報告

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帰朝報告(中澤世識 助教)

「第2回 ESMO/JSCO フェローシッププログラム」参加報告

2019年9月26日から10月17日まで、「第2回 ESMO/JSCO フェローシッププログラム」に参加してきました。このプログラムは日本癌治療学会(JSCO)が欧州臨床腫瘍学会(European Society for Medical Oncology、ESMO)の協力を得て企画されています。昨年の第1回プログラムでは当科の塚越真梨子先生がフェローとして選出されました。今回、自分は第2回のフェローとして参加させて頂きました。本年は、スペイン・バルセロナで開催されるESMO学術集会に参加した後に、次期ESMO presidentでもあるSolange Peters先生をメンターとしてご紹介頂き、スイスのCentre Hospitalier Universitaire Vaudois (CHUV)病院を訪問しました。

ESMO学術集会は、137ヶ国から3万人近くの参加者を迎える、大規模な学術集会です。肺癌を始めとして各分野における最新の化学療法や分子標的治療、そして免疫治療に関する発表が行われます。NEJMなどに掲載間近である最新の臨床試験の発表がある一方で、教育講演や若手向けのワークショップなど多種多様のセッションがあり、充実した内容でした。また、会場からはバルセロナ市内までは約30分でアクセスする事ができ、学術集会の初日や最終日など空き時間にはSagrada FamiliaやGuell公園なども比較的簡単に見学する事ができました。Sagrada FamiliaはGaudi没後100年の2026年の完成を目指して、着々と工事が進んでおりました。

ESMO後、スイス・ローザンヌに移動し、CHUV病院で研修しました。メンターのPeters教授は胸部悪性腫瘍を専門とする腫瘍内科医で、腫瘍内科部門を訪問させて頂きました。外来や化学療法室を見学し、複数のキャンサーボードにも参加しました。呼吸器cancer board以外にも転移性脳腫瘍や脊椎転移など病態ごとに特化したキャンサーボードが存在し、最適な治療方針を各科で有機的に検討しているのが印象的でした。また免疫治療に特化した腫瘍免疫部門も存在し、TILsやinterleukin-8併用療法など、積極的に免疫治療が行われていました。また、胸部外科のKrueger教授を紹介して頂き、外科カンファレンスや手術を見学する事ができました。CHUV病院ならではの、術前化学療法として抗癌剤と免疫治療を併用した患者さんの手術症例もありました。

今回のJSCO/ESMOフェローシッププログラムを通じて、様々な分野における専門家と出会える貴重な機会を頂きました。特にCHUV病院では免疫治療や最新の臨床試験が進められており、大変刺激になりました。改めて今回のフェローシップを今後の自分の医師としてのキャリアに活かしていきたいと思います。このような機会を与えて頂いた調 教授に深く感謝申し上げます。またプログラム参加にあたりサポートして頂きましたJSCO、及びESMOのスタッフの皆様、そして呼吸器外科グループの皆様に心より感謝申し上げます。

呼吸器外科学分野 助教 中澤 世識

群馬大学大学院医学系研究科総合外科学講座
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